2020年東京オリンピック後の地価暴落は本当に起こるのか?

こんにちは、ファイナンシャルプランナーのマサです。

2020年の東京オリンピックが決まり、地価が上がるにつれて「オリンピック後に不動産は暴落する」といった話をよく耳にするよになりました。

不動産業界の2020年問題と言われるものです。

これはセミナーでもよく質問されることの1つですが、不動産の暴落はオリンピックが終わったという理由では起こりません。

その理由を説明する前に、まずは、なぜ暴落すると言われているのかを考えていきます。

オリンピック後に不動産は暴落すると言われる理由

オリンピックの開催が決まると、選手村などの関連施設やホテル、マンションなどが建設され、インフラの整備がドンドン進められます。

そのため、建築資材や人件費が高騰しているのを背景に、不動産価格も上昇していると言われています。

それがイメージも相まって「家を買うならオリンピック後に」として、メディアを介して広まったという印象です。

こう言いたくなる気持ちはわからなくもありませんが、暴落の根拠が「オリンピックの終了」とするにしては、弱すぎるのではないかと考えています。

東京オリンピック後の暴落は起こらない

確かに、オリンピック開催が国の経済成長を促すという面はあります。

ですが、それは新興国や経済規模の小さい国だった場合の話です。

イギリスのロンドンやオーストラリアのシドニーなど、先進国・経済規模の大きな国では、オリンピックが不動産価格に与える影響は小さなものです。

2011年の東日本大震災の復興事業へ向けられていた建築資材や職人の人件費の高騰に、オリンピックが乗っかった形になっているだけの話です。

建築費は下がらない

2020年以降、建築費が下がるのかというと下がりません。

2019年の10月には消費税が増税されます。

これは実質、建築資材の値上げにつながります。

さらに日本はインバウンドに力をいれており、2013年の訪日観光客数は約1000万人だったのが、2018年には約3100万人と3.1倍に増えました。
日本政府観光局年別統計データ」より

たった5年間でこれほどの増加です。

大阪のグリコの看板で有名な難波を歩けば、英語や中国語がそこら中で聞こえてきますよ。

この莫大な人数の外国人観光客を受けとめるだけのホテルが少なく、ホテル不足で2020年以降も建設ラッシュはしばらく続く見込みです。

先進国の過去4大会のデータでも暴落はない

みずほ総合研究所が発表しているデータで、アメリカ(アトランタ五輪)、オーストラリア(シドニー五輪)、ギリシャ(アテネ)、イギリス(ロンドン)の住宅価格についての推移があります。

出典元:みずほ総合研究所 不動産市場は転換点にあるのか?より

このデータからもわかる通り、先進国ではオリンピックの終了が元での暴落は確認できず、むしろ上昇が続いています。

もちろん国や地域が違うので、一概に日本も当てはまるというわけではありません。

ですが、オリンピックが終わったら暴落するという説は必ずしも当てはまるわけではないということです。

オリンピックへ向けてインフラ整備が進む

オリンピックの開催前後へ向けて、インフラの整備が整えられていきます。

首都圏3環状道路の連絡道路を増やしたり、新しい道路の開通や延伸、高速道路の改修整備が進められます。

鉄道では空港から都市部までのアクセスも良くなりますし、各線を繋げることで乗り換えを不要にする予定もあります。

オリンピック後の話では、リニア新幹線が開通予定で、東京ー大阪間は1時間ほどで移動ができるようになります。

もちろん都市開発でも景観創出のため、無電柱化が推し進められていたり、新しい施設や観光地が増えます。

オリンピックはスポーツだけでなく、開催国のインフラを一新するということです。

これらの整備はオリンピックが終われば放置されるわけではなく、今後の旅行客誘致など、インバウンドの面でも大きく役立つことになります。

暴落はないが、軽微な価格変動はある

2020年の東京オリンピック後の地価暴落・不動産価格の暴落はないですが、軽微な価格変動はあるのではないかと考えています。

というのも、海外投資家が日本の不動産を値上がり目的で購入しているケースがあるためです。

オリンピック前後では、その一部の投資家たちが不動産を売却して利益確定をしてくると思われます。

それでも大幅な下落につながらないのは、リーマンショックの不況時以上の売りが増えるとは思えないからです。

リーマンショックと不動産価格

世界経済に大きな打撃を与えたリーマンショックでは、日本経済も大きなダメージを受けました。

日経平均は7800円代まで下がり、倒産や経営難に陥った企業もたくさんありました。

ですが、この時の不動産価格の下げ幅は2割もありませんでした。 利回りでいうと1%ほどです。

この時の家賃の下落というのも、実はほとんどありませんでした。

今回の海外投資家のように、値上がりを目的とした短期の投資目的であれば問題ですが、家賃収入を目的とした長期投資や自分が住むためのものであれば、世界に影響を及ぼしたリーマンショックですら、ほとんど問題にならないということです。

目的をしっかりと認識することが大切

不動産の価格については、これまでもメディアで色々な問題で騒がれていました。

  • 2003年問題と言われた、新築ビルの供給過剰でオフィスビルの空室が増えるというもの。
  • 2007年問題と呼ばれた、ホテルの開業が増えることによる客室の空室率上昇。

いずれも社会問題としてメディアで提起され、大きくとりだたされましたが、騒がれたほどの問題にはなりませんでした。

2000年問題と言われたコンピュータの誤作動も、蓋を開ければ何も影響はありませんでした。

これらからも考えると、東京オリンピック後の暴落もそれほど大きな問題になるとは思えません。

前述しましたが、そもそもの話で、現代では不動産の値上がりを期待して短期で土地転がしのような目的で不動産をもつ人はほとんどいません。

自分が住む用に持つか、家賃収入を目的とした長期的な不動産投資として持つので、万が一オリンピック後に多少の地価変動があったとしても、ほとんど影響がないオーナーばかりということです。

世の中のイメージで判断するのではなく、目的をしっかり意識して判断していくことが今後はさらに大事になってきます。